イタリアの郷土料理を提供する店は少しずつ増えている印象ですが、イタリアの中でも一番南に位置するシチリア州の料理はワインも含めて少し個性的で楽しいです。そんな『シチリア料理』店を食べられる都内の店をまとめました。
都内で10数軒くらいです
一般的なイタリア料理店は、北イタリアから南までイタリア全土の料理から「人気のメニューをいいとこ取り」というパターンが圧倒的に多いですが、イタリア郷土料理の店も結構あって、実は「トスカーナ料理」とか「ピエモンテ料理」といった店もいくつかあります。ワインに料理を合わせたりするようになると、イタリアの郷土料理にのめりこんでいきますが、そんな中でも大好きなのはブーツの先にある島の「シチリア料理」。
イタリア20州の中で最大面積(九州と四国の中間くらい)で、料理もワインも地域によってさまざまなものがあります。シチリア料理は彩りが鮮やかなものが多く、シチリア陶器の「デ・シモーネ」も原色で独特の雰囲気があります。ワインは、果実味のある「ネロターヴォラ」やブルゴーニュを連想させるエトナの「ネレッロマスカレーゼ」、シチリア唯一のD.O.C.G「チェラスオーロ・ディ・ヴィット―リア」に使われている「フラッパート」、もっとマイナーな「ノチェッラ」などバリエーションに富んでいて奥が深いです。
お店によってはシェフが修行した町の特徴が出ていたりして美味しいワインと料理が楽しめます。
- 【白山】シチリア屋
- 【渋谷】フィリ ディ チェント アンニ
- 【銀座】カンティーナ シチリアーナ
- 【渋谷】トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ
- 【白銀高輪】ロッツォシチリア
- 【森下】Cucina Siciliana Prio
- 【茅場町】ロットチェント
- 【渋谷】チェント アンニ
- 【東銀座】カンティーナ シチリアーナ トゥット イル マーレ
- 【乃木坂】リストランテ ダ ニーノ
- 【五反田】Tavola calda siciliana Peri Peri
- 【三宿】Pescheria Cara mishuku
- 【横浜】Ristorante Crocifisso
- 【横須賀中央】Trattoria Siciliana Villagrazia
【白山】シチリア屋
外観、内観ともにカジュアルな雰囲気で内装は青を基調とした色使いになってます。
料理はシチリアセットという4,000円のコースで、それ以外はオプションで追加するスタイルです。カジュアルな店の雰囲気通り、料理もワインもカジュアルで手ごろな価格ですが料理は本物のシチリア料理でジャパナイズしていません。従って初回訪問時は出てくる料理全てが新鮮に感じるくらいのインパクトがあります。シチリア料理に興味がある人にはぜひお勧めです。
都営三田線の白山駅または春日駅から徒歩7~8分ほどの路地を入ったところで少しわかりずらいですが、その分隠れ家感が高いです。
【渋谷】フィリ ディ チェント アンニ
FIGLI di CENTO ANNI=「チェントアンニの息子」という店名で、チェントアンニの姉妹店です。
店内はカウンター席とテーブル席ですがこぢんまりした落ち着く雰囲気です。
料理はシチリア中心の南イタリアでワインは全てシチリア。メニューもアランチーニやカポナータ、ゼッポリーニなど今や結構有名なニューも並んでいます。
前菜はポーション少な目でワインを飲む人にはちょうど良く、味もシチリア料理らしい美味しさで一般的なイタリアンとは一線を画しています。
店内にはシチリアのシンボルの「トリナクリア」なども飾ってあり、かなりシチリアにはこだわりを感じます。自分の生活圏内にあるとうれしい店です。
渋谷、道玄坂上でR.246に近い場所にあります。店内はカウンター席とテーブル席ですがこじんまりした落ち着く雰囲気です。
【銀座】カンティーナ シチリアーナ
Cantina Siciliana=「シチリアのワイナリー」なのでワインも料理もシチリア縛りでシチリア料理好きにはたまりません。
『アッサジーニ』という「味見」という意味の5皿の前菜をつまみながらワインを頂きます。ワインもシチリア縛りでたくさん種類があり、グラスでも赤白4~5種類ずつ飲めます。
『アッサジーニ』は『ゼッポリーニ』などでいずれも美味しく、『自家製サルシッチャ』も粗挽きな感じで美味、『イワシとウイキョウのカサレッチェ』を頂きましたがこちらもシチリア名物らしくとても美味しいです。
銀座6丁目、泰明小学校の前にあるオーバカナルの路地を入ったところでピンクの外壁が目立ちます。
【渋谷】トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ
ドンチッチョ =シチリアマフィアのボスの愛称。
店内はこぢんまりしており、適度なカジュアル感がありながらも落ち着いた雰囲気です。
メニューは完全なシチリア料理でワインもシチリアのみ。
いずれの料理も美味しく雰囲気とともにシチリア料理を楽しめます。
場所は青山学院大学の西側で表参道よりは渋谷の方が少し近いです。
【白銀高輪】ロッツォシチリア
前菜から『シチリアの定番、茄子のカポナータ』900円、パスタは『シチリア名物、イワシとウイキョウのスパゲティ』1,500円、ドルチェもシチリア名物の『カンノーリ』というシチリア縛りですがメニューには比較的わかりやすく表記してあります。いずれもシチリア料理らしい味付けで美味しいです。
ワインはほぼシチリアで5,000円台が主力です。
場所柄かリピーターや常連さんが多いようですがスタッフが気さくな雰囲気なので好感持てます。
東京メトロ南北線の白金高輪駅から徒歩5分ほどの四の橋のそばです。
【森下】Cucina Siciliana Prio
店内は明るい感じできれいで大きくも小さくもなく丁度良い感じのサイズです。
リーズナブルな前菜などがありながらも、内容は本格的な「シチリア料理」でいずれも美味しいです。
都営新宿線or大江戸線の森下駅または大江戸線清澄白河駅からのアクセスで「のらくロード」という、「のらくろ」のキャラクタが売りの商店街が切れた先にあります。イタリア郷土料理がリーズナブルに食べられます。
【茅場町】ロットチェント
シチリア料理の店ですが、メニューは日本語でわかりやすく記載しているので、シチリア料理を知らない人には少し個性的なイタリアンに感じるかもしれません。料理はシチリア風の皿に盛り付けられていて雰囲気があり、見た目も綺麗で美味しいです。特に『黄色いいわしのソース 極太麺』は好きな味です。ワインは8,000円台からでバリエーションは少な目です。
東京メトロ東西線の茅場町駅が最寄りですが、水天宮前駅からでもアクセスできます。
【渋谷】チェント アンニ
Cento Anni=100年「シチリアでは、家族が100年幸せに過ごせるようにという願いを込めて『チェント アンニ!』と、乾杯するそうです」
内観はカジュアル感があり良い雰囲気です。
前菜はカウンターのケースを見に行って好きなものを数種類選択するスタイルで結構シチリア感があります。『前菜盛り合わせ4種』、『フリット・ミスト』などをつまみながらパスタは『イワイとウイキョウ、松の実のサフラン風味ブカティーニ』、いずれも大好きなシチリア郷土料理で美味しいです。
渋谷のセルリアンタワーの先のR.246から一本奥に入った路地にあります。
【東銀座】カンティーナ シチリアーナ トゥット イル マーレ
アンティパストは『ナスのカポナータ』800円、『メカジキのインボルティーニ』1,200円をオーダー。プリモは『イワシとウイキョウのカサレッチェ』1,400円にしました。いずれもシチリア料理っぽく個性的でおいしいです。『イワシとウイキョウのカサレッチェ』は銀座6丁目で食べたものと同じでした。
ワインは、基本はシチリアのみでALL3,900円、ALL4,900円など比較的リーズナブルなクラスからあります。
東京メトロの東銀座駅から徒歩3~4分です。
1階はカウンター席で2階と3階がテーブル席です。
【乃木坂】リストランテ ダ ニーノ
Ristorante da Nino シチリア料理店の中ではハイエンド・クラスです。
外観は一般的なイタリアンでワインがたくさん並んでいます。店内は比較的こじんまりしたサイズで、ワインボトルとシチリアの絵皿「デ・シモーネ」がいたるところに飾ってあり、物凄く高級感があるわけでもないですが上品で落ち着く空間です。
『前菜6種盛り合わせ』『パスタ・コン・サルデ』『マグロのグリル』などをいただきました。それぞれがとても良い素材を丁寧に作っている印象です。
何気なく出てくるパンも適切な温度で提供しているような印象でパンの間にトリュフが入っていてビックリ。料理の中では特に『マグロのグリル』は脂ののった部分+適度な塩の味付けで美味しかったです。ワインは物凄いバリエーションでシチリアワインでは最もたくさんのバリエーションがあるレストランだと思います。シチリア以外にもサッシカイアやルーチェなどのスーパートスカーナやボルドー、ブルゴーニュのグランクリュもたくさんあり、ワイン好きは見てるだけでも楽しめます。
東京メトロ千代田線の乃木坂駅3番出口から1~2分です。
【五反田】Tavola calda siciliana Peri Peri
新しい店でカジュアルな設定なのでメニューはタブレットです。
前菜は自分で見て選ぶスタイルで全7種類あります。いずれの前菜も手間暇かけている感じなので、5種類くらいで多めに選ぶのがお勧めです。特に『カポナータ』や『フリッター』は美味しいです。
ワインはグラスでも数種類あるし、ボトルも2,500円からあり小さいながらもセラーで選べるのがうれしいです。カジュアルなのでシチリア好きでなくても十分楽しめます
五反田駅から出ている東急池上線のガード下にある店です。
【三宿】Pescheria Cara mishuku
店名のPescheriaは=魚屋で、魚料理を中心としたシチリア料理の店です。
オーナーシェフ兼ソムリエはシチリアで修行してこちらを開店、お父様が魚市場関係者でよい魚を仕入れることができるというスキームで運営しているとのこと。ワインはシチリア縛りで素晴らしいです。
料理はジャパナイズしてないシチリア郷土料理で、「カポナータ」「カルパッチョ」などいずれも美味しいです。ピュアなシチリア料理とシチリアワインが楽しめる貴重なお店です。
東急田園都市線の池尻大橋駅と三軒茶屋駅の中間でR.246三宿交差点の北東角のビル4階にあります。ビルはかなり古く、エレベーターもクラシックな雰囲気。
【横浜】Ristorante Crocifisso
メニューはコースのみで4,000円、6,000円、7,500円、9,500円の4種類。
6,000円コースは、アミューズ+前菜+パスタ+魚または肉+デザート+コーヒーという内容でパスタと魚・肉料理は複数からの選択です。シチリア料理なのでパスタは標準的な「パスタ・コン・レ・サルデ」や(名前は忘れましたが)海老のリングイネ、肉は「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」魚は「燻製した真蛸とケイパー風味のじゃが芋ピューレ 青菜のソース 」などを選択。とても柔らかい蛸料理で印象に残ります。こちらのスペシャリテでもあるようですが、通常魚料理では蛸があることも珍しいし、あったとしても選択することはまれだと思いますが、燻製された柔らかい蛸は美味しかったです。
高級そうですがカジュアルな店で、コース料理のみというのが難ですが4,000円からなので気軽に使える店です。
JR横浜駅西口を出て北西方向に徒歩5~6分のビルの最上階7階にあるシチリア料理店です。
飲食店だけで構成されているビルです。
【横須賀中央】Trattoria Siciliana Villagrazia
シチリア出身のイタリア人シェフワンオペという珍しいスタイルで比較的こぢんまりしたサイズの内観です。
オーダーしたのは、『タコサラダ』980円、『自家製シチリアのソーセージ』1,500円、パスタが『エビとピスタチオのリングイネ』1,500円、ドルチェが『カンノ—リ』。
カジュアルながらも、どのメニューも美味しいです。特に『ソーセージ』『リングイネ』『カンノ—リ』はお勧めです。ただシチリア出身者が作る料理の割にはバリバリのシチリアンという印象ではなく、少しジャパナイズしている感じです。
京浜急行の横須賀中央駅を降りて徒歩5分ほどの距離です。
※本記事は、訪問時の内容のため、現在とはメニュー・価格・内容等が異なる場合がありますのでご注意ください。